SNZKの世界分散株式投資

30代前半から米国メインの世界分散株式投資でメイクマニー。

米国以外の株式市場

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画像はPS4があれば無料で遊べる、100人の人間が最後の一人になるまでバトルロワイヤルするシューティングゲームのフォートナイト。
投資家は暇つぶしにやりましょう。

SNZKはゲームが好き

最近はPS4モンスターハンターワールドに始まり、立て続けにフォートナイトの日本語版が出てしまったためブログを書くどころではない。
さしあたりVOOとBND買っておけばまぁなんとかなるっしょ、みたいな油断がある気がします。

しかしながら、一応ブログタイトルに「世界分散」と銘打っている以上そろそろ米国以外の市場も少しずつ調べなければなりません。

なんで米国だけの投資にしないのか

2017年からのトランプ政権はなんだかんだで順調すぎるほどに株価が上がっています。2017年は数字だけを見れば東南アジアのインデックスはS&P500を上回っていたそうですが安定感で言えば素人目にはやっぱりアメリカ一択でもいいような気がしてしまう。

まとまったお金が必要な時に「ない!」という状態を避けたい

株式投資は20年以上持ち続ければまず間違いなくプラスになるそうです。
ですが、逆に言えば19年目までは運が悪いとお金が必要な時に投資額よりも少なくなった状態で株を売らなければならないこともある、と。
それは非常に困るので、リスクヘッジということですね。

最近の世界経済はアメリカがこければ全体がそこに引っ張られて下がる傾向があるそうですが、2月の米国調整局面入りでも新興国はそこまで手痛い下落率でもなかったそうです。
WSJ: 世界株安、新興国の傷が浅かった理由

先日も米国の債券ETF、BNDを買い付けましたが安定して配当を出してかつ

米国以外の株式市場

パッと思いつくものだけでもこんなにあります。

EU、日本

無視できようはずもない、ザ・先進国。

EU

EUの企業ってなると途端に思いつく会社が減ってしまいますね。
例えばFPSゲームの常連メーカー、イタリアの軍事企業ピエトロ・ベレッタ社とかそもそも上場しているんだろうか。とか。
あとは色々と良くない方面で話題のフランス・モンサント社とか?

日本

日本は言わずもがななんですが、個別株で欲しくなる企業ってあんまりないんですよね。30年近く前の株価に未だに追いついていないっていうのもダサいよなぁ。

BRICs、その他新興国

SNZKが中学生くらいの時に社会の授業で習った言葉です。ブラジル、ロシア、インド、中国は20世紀末から比べてたしかに存在感が増しているようです。

中国

個人的にはETFが充実しているのかどうか、一番気になります。SNZKも中華製品にはけっこうお世話になっていますし、ジムに着ていくパチ物ジャージも中華が多い。時点が米国アンダーアーマー(ここは調子悪いみたいですね、SNZKは動きやすくて好きなんですけど)。

インド

中国の次に気になるのはここ。産業はわからないけど映画とか見てるとワクワクしますからね。ちっちゃい車のあそことか。ただ、個別株の取引には制限があるようなのでここも インド株投資の注意点(ETF・ADR)

ロシア

世界最大のダイヤモンド埋蔵量ということ以外マジで何もわかりません。投資ブロガーでもロシア重点で投資を行っている人が多いようですがやはりここもインデックス投資しかなさそうです。何しろあまり興味が起きない…

タイ、ベトナム

どちらも旅行してすごく気に入った国なので単純に応援したいよね、っていう感じです(単純)

ETFの検討

と、分析というほどでもない個人のぼんやりしたイメージを書きました。
当然、ETFを使って分散していくことになるので、次回以降は自分のメモ代わりに米国以外のインデックスを見ていきます。

仕組債ってなんだ

仕組債ってなんだ

ちょっと前に基本的な国債社債の勉強をしましたがその過程で出てきた仕組債という債券、複雑なのでまとめきれなかった分をあらためて勉強したいと思います。

債券の名前を使っている金融商品

一般的な債券は○年後に○%の利子がつくというシンプルなものです。
仕組債は名前の通りスワップ取引オプション取引の要素がはいったデリバティブです。

日本国債10年ものがほぼゼロ%金利という時代に年利回り10%オーバーという数字がボンボン並ぶ夢のような債券なんですが、まぁ普通に考えて怪しいよねっていう。

色々と種類がある

  • EB債(他社株転換条項付き債券)
  • リンク債
  • コーラブル債
  • 二重通貨建て債

今回はEB債でちょうど売られているものがあったのでEB債の仕組みをみていきます。
というか、複雑怪奇でこれだけでも精一杯…

EB債はどんな仕組債なのか

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SBI証券 EB債(デジタルクーポン/日経平均レバレッジETF)

これは現在募集中のEB債になります。
* 商品名
ドイツ銀行ロンドン支店 2020/3/23満期 早期償還条項付 上場投信転換条項付 デジタルクーポン円建債券(NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信) * 利率
初回利払日:年11.50%(税引前)/年9.163%(税引後) * 50万円単位で申し込みができて、利率はなんと11.50%(!)、償還日は2年後の2020/03/23の2年もの債券です。

発行体は外資金融系が多い

こちらの発行体、つまり債券を買ってくれないかと募集をかけているのはドイツ銀行ロンドン支店となっています。日経平均にまつわる債券なのに海外の銀行の海外の支店?
どうもこういったEB債などのデリバティブは海外の金融機関によって作られることが多いようです。

発行体の格付けは問題なし

ご丁寧に、というべきかドイツ銀行S&P格付けも書いてありますね、ランクはA-。
S&PではBBBまでは経済状況が悪化しなければ投資対象として問題なしとしていますからここももちろん不安なく投資しても良いだろう、と考えたくもなります。

しかしながら、この評価は発行体であってこのEB債そのものではありません。

EB債の実態

目論見書

詳しいことはこちらをお読みいただくのがいいですが、実際になにが怪しいのか少しずつ読んでいこうとおもいます。

売り出しの概要

売り出し概要

こちらのページ、大事な部分にはわざわざ赤字で注意を入れてくれていますから、主にここを見ていきましょう。

ETFの値段を基準に債券の値段が決まる

この債権はドイツの銀行が、日経平均と連動して利率を出すかどうかを決定するという不思議な商品です。
ドイツ銀行社債とは全く違います。

基準になるのは日経平均インデックスのレバレッジ2倍ETF

日経平均と連動と書きましたが、実際にベンチマークとなるのは銘柄コード1570日経平均連動の2倍レバレッジETFです。日経平均が5%あがれば単純に10%ベンチマークが上がるということですね。
SBIでも日本株の取引量ランキングでいつも上位にあるのでご存じの方も多いでしょうか。

日経平均の値動きの2倍、というのがポイントです。

利率と利率決定価格

利率は税引前で11.5%/年、満期償還日までの2年間何事もなければ100万円が123万円になって戻ってくるんだから素晴らしい。

早期償還判定水準

ここからが少し複雑でした。
早期償還とは先日のVIX騒ぎのように投資信託やこの債券のような金融商品が何らかの理由で予定の運用期間を切り上げてお金を返すことです。たいていの場合で預けた金より減って戻ってくる。

blog.snzk.trade

この早期償還になる条件はこのEB債の場合は以下のとおりです。

当初価格×110%(小数第3位を四捨五入)

1570が当初価格(2018/03/23)の終値から10%値上がりした場合は満期までの2年間を切り上げてそこで運用を切り上げる、ということです。
1570は日経平均の値動きの2倍なので実際は5%上昇したら終了になります。

ん?なんかあっという間なんじゃないの?って気が…

早期償還が確定した場合

毎月の利払日に上記条件を満たしていた場合、次の利払日に早期償還が決定して元本と次の月ごとの利払いが支払われてこの金融商品は終了となります。
これだけだったらまぁ利払いはもらえるし元本も返ってくるしでそんな悪くもありません。

ですが、もうひとつノックインという強制終了条件があります。

ノックインとは

ノックインとは対象となっている株価が決められた水準を下回ることをいいます。

今回のEB債ではノックインとなると下がった時点での1570をその時の価格分だけ現金の代わりにいただけることになります。

ノックイン判定水準

ノックインになる目安率は、当初価格の65%です。-35%なのでかなりの下げ方をしなければノックインにはなりませんが、対象となる1570は2倍レバレッジです。
早期償還の確定は月に一度だけですが、ノックインは瞬間的にでもその下げ幅になればもうそこで試合終了になってしまいます。

日経平均が-17.5%になる可能性はそれほど低くはないですよね。
上昇局面から最大10%ほど下がるのが調整局面と呼ばれます。1月末の米国FRBが利上げしたことによる突然の下げは記憶に新しいですが、日経平均も当然あおりを食らっています。このときの1570は23,000ほどで推移していましたが現在は17,590です。

手元には下げ底かもわからないETFが残る

上にも既に書いていますが、ノックインの場合は-35%を記録した時点の1570が買える分だけ株で返ってきます。現金は端数分しか返ってきません。
絶賛下げ局面で手数料も高めのレバレッジ2倍ETFをもらうというのは、その後巻き上げる可能性ももちろんあるとはいえ気持ちのいい買い物ではないですよね。

日本経済が2年間停滞し続ければ儲かる

日経平均が5%上がればそこで終わり、17.5%下がったら現金の代わりに下がった株をプレゼント。
全くお金や有価証券が返ってこないよりははるかにいいですけど、説明を読んでいる限りSNZKには分がいい商品とは思えません。

あり得るかどうかは別として、 * これから2年のあいだ日経平均が一度も5%を超えることがない(大型株はどこも伸び悩む状態) * 一度も17.5%を超えるような大幅な下げ局面を迎えない

こんな感じの低め安定のボックス相場に入った場合、年利10%オーバーの高金利の恩恵に浴することができるってことか。個人的にはあまり魅力がないです。

バブル崩壊以降の日本市場で上のような状態が2年続いたことってあるのかな。
面倒なんで調べてませんが分のいい賭けではなさそうです。

何よりもドイツ銀行はどうしてこんな複雑な金融商品を作って募集をかけたのか、普通に社債ではダメだったのだろうか。
これってもしかして複雑だけど利回り部分は派手だけど実際は情弱ホイホイなのでは?と邪推しそうになります。

もっともS&P格付けA-がそんな商売をするわけもないんでしょうが。

初めての債券ETF、BNDを買い付けた

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画像は現時点のSNZKが買い付けているETF/個別株の全部です。
まだまだ米国偏重ですが少しずつアジア・ヨーロッパのETFも補強していきたい。

初めての債券ETF(BND)購入

バンガード®・米国トータル債券市場ETF

米国債、米国内社債モーゲージ証券で組まれたETF。言わずもがなの鉄版です。
配当は年2.5%くらいでしょうか。なんと毎月配当がある。これも地味に嬉しいですね。

ここのところFRBの利上げや債券についてのエントリーが多かったのは債券ETFポートフォリオに入れたかったためです。
特に何も考えず鉄版のETFさえ買っておけばいいのでしょうが、せっかくブログを書いているので勉強がてらチビチビと調べていました。
自分が何を買っているのかわからないと下がる局面で不安につながってしまいそうですしね。

S&P500だけ買っておけばOKか?

ウォーレン・バフェットが奥さんに当てた遺言状には「S&P500インデックスの投信(VOO)を買いなさい」と書いているのは有名な話ですが、これは投資に無頓着・知識がない人は最低限これだけやりなさいということですよね、おそらくは。
ということは多少知識がある人はS&P500を主軸としつつもそれを補完するようなポートフォリオを組めばよかろうということなのではないかと。
投資歴1年未満のクズ投資家が投資の世界の現人神の御言葉を勝手に解釈するのは恐れ多いかもしれませんが。

したがって何も考えずS&P500インデックスに投資しておけばオールOK!たったそれだけであなたは大金持ち!!みたいなのは現時点ではやっていかないかと思います。
25年以上の超長期ではそれでもいいのかもしれませんが、急にまとまった額の現金が必要になった時が暴落の真っ最中だったら?といったことを考えると、気兼ねなくとまでは言わなくとも株式よりは安心して売れるであろうクラスを現金以外にも持っておきたい。

今後4年間は毎年NISA枠の分だけ投資していくつもりですが、総投資額が1,000万円を超える頃、おそらく6年後には株価の下落時などにこのBNDを始めとした債券クラスをリバランスして株に充当していこうと考えています。

アップル、アマゾン、グーグル、ネットフリックスやテスラなど好きな企業には応援の意味で個別株も買っていきたいですしね。

SBI証券はNISA口座でなら米国株の買付手数料は無料なので、買い付けの金額を気にしなくていいのは素晴らしい。
気が向いたときにだいたい¥100,000/月を目安に買っていきたいと思います。

2月頭はこんな感じの構成でした。
blog.snzk.trade

債券の種類いろいろ

国債だけが債券ではない

FRBの利上げに始まり、米国債の種類までなんとなくでも把握できるようになりました。
でも債券には国債以外にもいろいろな種類があるようです。

債券の種類

債券投資ガイド: 社債とは何か?

国債

国債にも国の数だけ債券がありますが、それぞれにも円建てやドル建て、それ以外にもインド国債だったらルピー建てというのもあります。

社債

これは企業が発行する債券ですね。基本的な仕組みは国債と同様、期限が決められた債券を投資家が買い取って満期を迎えたら償還されます。世界各国が発行する国債よりもたいがいの場合で利回りが大きいです。この社債にも幾つか種類があるようです。

  • 普通社債(SB: Straight Bond)
    利息がついた普通の社債。この利息のことをクーポンと呼ぶことが多いです。最初ネットの証券会社で"クーポン付き社債"という字面を見たときは文字通り利息の代わりにクーポン券がついてくるのかと思いました。

  • 転換社債(CB: Changeable Bond または EB: Exchangeable Bond)
    正式な名前は"転換社債型新株予約権付社債"。長い。
    普通社債のように満期があるのは同じなのですが、いくつかの条件をつけて債券を発行した会社の株を一定の価格で購入できる制度です。
    その会社に将来性を感じられるならキャピタル・ゲインも狙えるということですね。ワラント債も本来は違うものだったそうですが、最近は一緒くたに呼ばれることがある。
    ただし、こちらは金融デリバティブ商品と呼ばれるもので債券というにはキツいリスクがあります。

債券にもリスクはある

インフレーションリスク

インフレで物価が上昇することで利回りが額面の数値よりも実質減ってしまうリスクです。

日本はバブル崩壊以降の二十余年、物価の上昇がほぼないそうです。日本国内で生活している分には意識することはありません。
ですが、FRBなどはインフレ目標を2%としていますから、米国に住む人が1年物の米国債(利回り2%)を保有していた場合は債券が満期(償還)になって返ってきても物価の上昇と利回りが相殺しあって、手元には事実上元本分が残るだけという可能性があるみたいです。

この場合、資金は損をしていませんがインフレになるほど金が世間に出回っている場合は株価が上がっていることもあるので機会の逸失という見方もあります。

経営難や国家の財政難

個別株を持っていてもその会社が倒産したら紙くずになるのと同様に、国債は深刻な財政難になったり会社は赤字がとめどなく増えるという時に早期償還となる可能性があるようです。

仕組債

SBIなどでも債券というくくりには入っていますが証券のように扱われるデリバティブ取引を絡めたものの総称を仕組債と呼びます。

これはSBI証券でも債券のカテゴリーで売り出されてはいますが○年で○%の利回りというわかりやすい条件で売られているものは少ないです。

例えば、10年前に世界中をドン底に落とし込んだサブプライム問題は支払い能力に難のある住宅購入者のローンを有料支払い者のローンと一緒に組み合わせて債券にするという、SNZKも書いててよくわからない金融技術の極地みたいな商品となっています。

仕組債についてはまた勉強して記事にしたいと思います。

格付機関を(基本的には)信用する

安全資産だっていうから債権を買いたいのに、インフレで利息が無くなったり下手したら元本割れするならどうすればいいんだ!となってしまいます。
ここでありがたいのは世界各国の債券の信頼度をわかりやすく一覧表にしてくれる格付機関の存在です。

Standard & Poors

言わずもがな、S&P500で知られるスタンダード&プアーズです。世界各国の国債から日本国内の社債までものすごい量の債券を信用度別に格付けしてくれています。
ちなみに信用度はAAAを頂点としてBBBまでを投資適格として、安全資産として持ちたいならこの範囲を使ってね、と言っているとのこと。
これ以下は投機的要素が強まるそうです。

S&Pムーディーズサブプライム証券に最上級をつけていた

格付け会社もまた100%ではありません。格付け会社の世界2トップであるS&Pムーディーズサブプライムローン関連のモーゲージ証券にトップレベルの格付け(AAA)を与えており、住宅バブル景気にほんの少し陰りが見えた時点で一気にジャンク級という投機以下の格付けを与えて2008年金融危機を引きをこす一端となりました。ちなみに2018年2月現在の日本はA+です。

あまり格付機関を盲信するのも良くないということですかね。

債券にもETFはある

それでは株式以外は現金を持っておくのがいいのか、というと現代ポートフォリオ理論では株式もセットで持つのがセオリーです。
でも調べるほどどれを変えばいいのかわからない… というSNZKのような人はやはりETFで債券も分散させて買うほうがいいのでしょう。

BND: バンガード®・米国トータル債券市場ETF

安心のヴァンガード社、外国株に投資をする人でもよく言及されるETFです。経費率は年間0.05%、費用はまったく文句なしですね。

現代ポートフォリオ理論では一見ほとんどリターンをもたらさない債券をあえて株と一緒に買います。
株価の暴落時には債券を売って再び値が上がることを見越して株を買い、株価が絶好調のときにはあえて暴落に備えて株を売って債券を買う。これを繰り返すことで不思議と株100%の時よりもトータルリターンが増えるという魔法のような話です。

SNZKもまだ半信半疑ですが、債券もNISA枠を使って少しずつ買い増していこうと思います。

債券価格と株価の相関: 国債が上がると株価は下がる?

1月末からの米国株式市場調整局面入りになった利上げについてのエントリー、今回は国債と株式市場の相関関係をまとめます。

FF金利(短期金利)と長期国債の利回りは必ずしも比例しない

前回も書きましたがFRBの決定するFF金利が上がると長期国債も上がる、と一概に言えるものではないようです。
長期国債(10年)は名前の通り10年後まで解約はできません。=流動性が低くなる代わりに同じ期間だけ3ヶ月国債を回したときよりも少しだけ利回りが上がるのが基本です。
しかしながら、短期債が例えば1%上がったとしても10年後のインフレ率や米国経済状況を予測して決められる利回りは、必ずしも同じように上がるとは限りません。

米国債10年の利回りと米国株価には相関関係は有る

上の短期金利長期金利の利回りの差は置いておくとして、米国10年国債と米国株の相関にはれっきとした相関関係があります。

国債利回りが上がると株が売られる

例えば、10年物の国債の利回りが2.0%と書いてあるとき。100万円分を買ったとしたら10年後に手元に帰ってくる金額は120万円(2%×10年)になります。

たとえば米国株投資をしている日本のブロガーには配当金再投資をして総資産を増やそうとしている人は多いですが、時には株を買っている会社の配当金が減る・無くなってしまうことがあります。GEがダウから外れるかどうかと言われているように個別株ではどうしてもこういった事はおこりえますが、国債ではよほどのことがなければ額面どおりのお金がきっちりと手元に入ってきます。

2017年から2018年1月のような毎日のようにダウが毎日のように最高額を記録する過熱気味の相場では、投資家は反動から来る暴落を恐れます。1月末に国債金利が上がったことをきっかけにより安全な国債に資金を移したことが調整局面入りの原因の一つだったとも言われました。

国債と株価は負の相関

国債の利回りが上がると株価が下がる、という関係を負の相関と呼びます。この相関関係は株と国債だけでなくREITや金、石油やその他商品にもよく使われる言葉です。

相関関係は1が100%連動するもの、-1が完全に逆の値動きになるものとして表現されます。

MUFG: (参考)各ファンドの相関係数

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正の相関(相関係数=+1)

株が1日で5%上がった日に同じように5%上がり、翌日株が10%下がったら同じように10%下がる資産があればそれは相関係数1、完全な正の相関です。

もちろんそんな資産クラスは(たぶん)無いので、これは理論上そういった数値がありますよ、ってことですね。
ただ、上のMUFGのリンク先には全世界株式 : 先進国株式の相関関係が0.997というのもあります。ほぼ完璧に連動しています。

どうでもいいんだけどSNZKのPCでは確実に最初の変換で「性」の字が出てきて焦る。

相関無し(相関係数= 0)

米国株式の上下とはまったく関係のない値動きをし続ける資産クラスがあれば、それは相関係数ゼロと言われます。 完全なゼロではなかった気がしますが金(ゴールド)は株式と相関がないのでいざという時の保険としてポートフォリオに組み込まれることが有る、というのは有名ですね。

負の相関(相関係数=-1)

ここが米国株と米国債が入る部分です。株式と相関係数マイナス1というのは全く逆の値動きをするということ。

実際の暴落時には国債と株式は負の相関とも言えない

上のMUFGで提供する投資信託では国内(日本)株式と国内(日本)債券はマイナスの相関になっています。
比較対象が違うので申し訳ないですが、画像は2007年初頭のサブプライム景気からその後の金融危機どん底までの期間、ダウと国債ETFのBNDの値動きを比較した画像です。赤く囲った部分、水色のBNDも株価ほどではないにせよわずかに下がっています。

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それでも株式に比べれば遥かにマイルドな値動きで、かつ平時は基本的には上がっていくのが債券ということになります。

現代ポートフォリオ理論

この各資産クラスごとに少しずつ違う傾向の値動きがあることに目をつけたのが現代ポートフォリオ理論です。

SNZKはブログのタイトルに「世界分散投資」と入れているのは、今のところこの現代ポートフォリオ理論を信じてアセットクラスを組んでいこうとしているためです。

ポートフォリオの作り方については数多くの参考書籍がありますが、SNZKもまだまだ勉強中でございます。これから少しずつ自分用のメモとしてだけでなく読んでくれる人のためにもなるようなETF/ETNでポートフォリオを作っていこうと思っています。

参考

  • ジェレミー・シーゲルバートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」
    ( 思いっきり間違えてました、すみません…)

言わずもがなの古典的名著。「有名なのはいろんなブロガーさんが書いてるから知ってるけど実は読んでないんだよね〜」って人は読みましょう。投資家と節制は大事なペアですが、これからもっとデカイ金を動かすことになるんだし3,000円くらいはまぁ惜しまないでもよくないすか。

米国債短期金利、長期金利の関係

米国債の短期/長期金利ってなんだ

米国債には期間ごとに種類がいくつかある

米国債にはそれぞれ満期になるまでの期間があり、以下のような種類があります。

  • 3ヶ月
  • 6ヶ月
  • 1年
  • 2年
  • 10年
  • 30年

30年なんていうのもあるんですね。しらなかった。

長期・短期はどの国債のことを指しているのか

結論から言うと記事によって毎回変わるようです。3ヶ月を短期、10年を長期として上がった下がったと報じるものもあれば6ヶ月と20年の組み合わせだったりすることもあります。今年の1月末からの金利上昇は米国10年債を指しての金利上昇と言っているようです。
SNZKはネットのニュースやブログを読んでいてけっこう混乱しました。

こちらのPDFにザックリした説明が書いてあります。
フィデリティ投信: スペシャルレポート:米国利上げと米国リートの関係(PDF)

短期金利政策金利

米国の民間銀行は、連邦準備銀行に一定の準備預金を預け入れることが義務付 けられており、その資金を短期金融市場で調達する際の金利政策金利(FF金利)で、FRBの金融政策で決定されます。

長期金利

これに対して長期金利は、短期金利に将来の物価上昇率(インフレ率)などを加味しながら市場で決定されます。

長期金利の決定要因=潜在成長率+期待インフレ率+リスクプレミアム

この公式、テストに出るやつだな。

例えば、3ヶ月国債が1.59%の時は10年債はその後の経済成長率やインフレ率(米国のインフレ目標は2%)を見越して10年債の利回りを決定するそうです。そうやって決められた利回りは2017/02/19時点では2.87%となっています。
ちなみに日本国債10年債は同日で0.05%です。

長短の上昇数値は一致しない

上の式にも書いてあるように、短期金利(FF金利)は長期金利の直接の決定要因はなりません。

一例として2004年から2006年の利上げ時期があります。
この当時、短期金利はインフレ率が加味されて段階的に利率が決められていました。
それに対して長期金利短期金利の利回りを上げることで予想外のインフレの芽を摘んだと判断して短期金利が上がっていくのに対し長期金利は下がっていったようです。

2004/05: 短期金利1.00%、長期金利4.65%(上乗せ3.65%)
2004/12: 短期金利2.25%、長期金利4.22%(上乗せ1.97%)
2005/12: 短期金利4.25%、長期金利4.39%(上乗せ0.14%)

2004〜2006年というとサブプライムローンによる金融商品、住宅バブル前夜。株価はボックス相場で上げ下げを同じような幅で繰り返していた時期でした。
流動性が低い10年物を買っても3ヶ月の金利と0.14%しか変わらないのではあまり旨味がありませんね。
サブプライムも相まって投資家がいっせいに株式市場にお金を流したのもわかる気がします。

以上、途中で力尽きたFRBの利上げからのお勉強、続きでした。

参考

Bloomberg: マーケット 米国債・金利
このページには米国債 3ヶ月から始まり、2年、30年と満期(?)までの各種長さの国債の利回りが表示されています。
下の方にはFF金利(Federal Fand Rate)、FF金利誘導目標も表示されているので使いやすいですね。

今更だけど利上げってなんだろう

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写真は100年前の米国債。現在は電子化されてるんですかね?

FRBの利上げという言葉の意味

正直いうと雰囲気で利上げという言葉を使っておりました。

そもそも何の利を上げるんだか、調べました。

FRB(連邦準備理事会)の利上げ

世界各国に日銀のような中央銀行に当たる組織がありますが、収集がつかないので今回はアメリカのFRBでの利上げについてです。

Federal Funds Rate

Federal Funds Rate、これがFRBの利上げと呼ばれるものです。
日本語の新聞記事ではFF金利と書いてあることもあります。

アメリカでは民間銀行が一部の預金を連邦準備銀行に預ける決まりがある。これが準備預金のフェデラル・ファンド(FF)になります。

このお金はFRBの指導でニューヨーク連邦銀行が証券などを買ったり、逆に手持ちの証券を売ることで米国短期金融市場でFF金利を誘導します。この金利誘導の値が政策金利と呼ばれるもので、政策金利が上がれば利上げ、下がれば利下げになる、と。

まだ難しくて腑に落ちていません…。

なぜFRBは利上げをしたか

2016年からアメリカのダウ平均が連日のように過去最高を更新するニュースがあったように、アメリカ経済は絶好調でした。株価がどんどんと上がるのを見てSNZKも投資を始めたわけですが、あまり急上昇するのは良いことではありません。
PERが過剰に上がるとちょっとした悪いニュースで株価は大きく下がり、恐慌状態になってしまう可能性があります。

しかし、利上げをすることで市中の銀行の金利が上がるので企業が工場を作ったりするためのローンを組みにくくなる → 景気後退(リセッション)になりかねない、というジレンマもあったようです。このため2008年経済危機後の金融緩和からいつ利上げを始めるか検討していたのがここ数年、とのこと。

なにより、今回のように株価が下がることがほぼわかっている状態でも利上げを行うのはインフレが起きる可能性があるため、という理由もあるようです。ゆるやかなインフレは歓迎すべき状態みたいですが急激なインフレは通貨の価値を既存して社会不安を引き起こし、ドルの代わりに卵で物々交換が行わる可能性もあります。

Wall Street Journal: ハイパーインフレのベネズエラ、「卵」で物々交換

さすがにアメリカでこれはないでしょうけど

利上げするとどうなるか

連邦準備銀行はお金を普通銀行から預かったあと、銀行に返すときに利息を取るというシステムになっているそうです。無料で預かっておいて返すときに利息を取るとはひどい感じがしますね。
この時の利息を上げる方に政策金利を上げると利上げになりますが、以下のような展開になることが多いようです

e warrant: (いまさら聞けない)米国の利上げって何?どんな影響がある? 2014/08/25

  1. 株価が下がる
    企業の銀行からの借り入れが金利の上昇により難しくなるため思うようにビジネスができず、決算発表に悪影響があることを懸念する株主が売りに入ってしまう可能性があるため。
    今回の最も大きな影響はVIX指数の急激な上昇でしたが、もとはこんな理由があったみたいです。

  2. ドル高になる
    上のサイトの説明によれば、金利の上昇はローンを借りた時の利息だけでなく、銀行に預金をした時の利息にもかかるためアメリカにお金が集まります。自国のお金を米ドルに変える→○安ドル高になる る、ということのようです。
    これを書いてる2018/02/14時点では¥106/USDと、逆の展開ですね。
    e-Warrant: 『円高』が投資家の間で話題に。
    うーむ、月末と言わず今週中にでもちょこっとETF買っておこうかな。

  3. 債券価格が下落する
    債券本体の場合は問題ないが、ETFなど間接的なかたちで投資をしている場合は下落が起きる可能性がある。明確な理由が書いてない… これはまた調べます

次回に宿題

予想はしてたけど、ちゃんと調べると知らない単語がドンドンと出てきます。課題が多い…